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【第2回勉強会/グループワーク(7)】
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活動報告:目次
  1. プログラム
  2. 会頭講演
  3. グループワーク
  4. アンケート
2003.1.26「頭の中をPOSに!」(第2回)

Cグループのディスカッション(前編)

→模擬症例はこちら(別ウィンドウ)

<ステップ1>

Rp(2)を飲んでいないのでは?というところが気になる。

  • 毎食後の薬が本日は無いようですが、どうされました?
  • どんな風に飲んでいらっしゃるんですか?
  • お薬、どのくらい余っていますか?

・・などの聞き方候補が挙がるも、患者さんは薬剤師にはいい返事をしたいというようなこともあるかと思うので、症状をきっかけに聞いてみようということになる

「ゴロゴロ」という症状を訴えているのだから、症状から聞いてみたほうが良いのではないかという考えにまとまる。)

症状を聴いた後どのように話を進めていくか、というところは、「薬」を聞くより、実際の現場で、Drからの説明を患者さんに確認するようなやり方がメンバーでは多いということで、そちらに決定。

薬剤師: 今日は、お薬2週間出ていますけど、どうですか?前回、おなかがゴロゴロ言うのがあまり変わらないって事でしたけれども、飲み続けてみて、少しはよくなられましたか?
患 者: やっぱり、ずっと変わりませんね。あまり変わらないです。
薬剤師: 先生は、どのようなことを言われていますか?
患 者: 検査をしているんですけど、やっぱり異常がないっていう風に言われていて、薬を飲んで体調を維持して行こうって言われているんです
薬剤師: 薬を飲んで体調を維持して行こうって言われているん ですね

これで薬の話題が出てきたので、きっかけがつかめた。
しかしここで、あまり薬を突っ込むより、Drに言われて、どう思っているのかというところをもう1度聞いた方が良いのではないか、という考えも出る。

薬剤師: 先生から、病気について、どのようにお聞きになっていますか。宇都宮さんはどうお感じですか。
患 者: 維持して行こうっていうのは、治るっていう風には言われないから、飲んでても治らないのかなあって気持ちはしますね。
薬剤師: 維持して行こうって、先生には言われた。
患 者: 維持して行こうって・・・治そうっていう感じには言われないので、治らないのかなあって。

<ステップ2>

まず、共感して患者さんの気持ちを受け止めるところから始める。

 治らないと思っているからコンプライアンスが落ちているのでは?
  • どんな気持ちですか?と聴いた上で、薬の話題に入る。
  • 共感をしてみて、患者さんの反応をみてみよう。
 などが挙がる。
薬剤師: 症状がとれないのはお辛いですよね。少しでも、症状が取れるといいですよね。ところで、この前も漢方薬は1回か2回で飲まれているみたいなんですけど、飲みづらい薬はないですか?
患 者: 飲みづらい薬といえば、やっぱり漢方がいやだなとは思いますね。
薬剤師: どのへんが飲みにくい理由になりますかね?
患 者: 飲むとゴロゴロがひどくなるからからいやっていうのはありますね。
それから漢方を飲むと、入れ歯に挟まってしまって、痛くなっちゃうんで、それでやっぱり、もっと飲みたくなくなっちゃうんです。

<ステップ3>

「入れ歯に挟まる」を改善するために、情報提供が有効なのではないか。

薬剤師: 入れ歯に挟まるってことと、ゴロゴロするっていうことなんですね。
入れ歯に挟まるってことに関してはですね、漢方薬をお湯にといて飲んでいただくと、まあ少し残りとかもあるんですけど、飲みやすくなるとは思います
患 者: それは知りませんでしたね。でもやっぱりゴロゴロはするから、飲みたくはないですよね

<ステップ4>

情報提供によって、入れ歯に挟まることは緩和できたかもしれない。ただ、お 湯に溶いても「ゴロゴロ」によって、飲めないかもしれない。
「ゴロゴロ」するというのも、腸が動きすぎているか、ガスがたまっているかが分からない、という疑問が出てきた。しかしそのことを聴くかどうか。聴いたところで薬剤師としてケアをできるかどうか、聴く事に意味があるのか、ということでしばし議論。

ゴロゴロをどうにかできないか?といってもすぐには対策をとれないので、他 の切り口で情報を集めるのも良いのではないか。
 ↓
ガスコンやコンビチームでは取れないのか?どういったときにゴロゴロなったら困るのか?
 ↓
どうゴロゴロか?ということをやっぱり聞いてからのほうが良いのではないか。 それから、対策を一緒に考えていった方が良いのではないか。
 ↓
方向性としては、ゴロゴロはどんなものか聞いてみて、ガスコンやコンビチームのことも聞いてみようということに。

薬剤師: ゴロゴロするのがいやなんですね。これ、ゴロゴロするっていうのは、ガスがたまってゴロゴロするんですか?
患 者: ガスがたまってかどうか、っていうことまではちょっと自分では分からないですけど、やっぱり、違和感があると言うか、気持ちが悪いと言うか・・
薬剤師: あぁ、それでごろごろしちゃうんですね。そうですか。
患 者: ええ
薬剤師: いつもガスコンとコンビチームってお薬が出ているんですけれども、これは効き目のほう、どうですか?
患 者: この薬は効かないんじゃないかなぁ
薬剤師: あんまり効いてない感じ。
患 者: 飲んでも変わらないような感じですね。
薬剤師: 飲んでも変わらないんですね。

ゴロゴロがガスによるものかどうか分からなかったが、ガスコンやコンビチー ムがあまり効いていないという感覚があることがわかった。

ガスコン、コンビチームのコンプライアンスを上げたところで、劇的な「ゴロ ゴロ」の改善には至らないのではないか。
 ↓
飲んでも変わらないとは言うけれど、実際にどれくらい飲んでいるのかが情報不足なので、コンプライアンスを上げる方向へ持っていったほうがこの場合良いのか、意味がないのか、判断がつきにくいのではないか。
便秘の有無について情報もないが、これは聴くべきなのかどうか。
ゴロゴロ感には、不安もあるのではないか。
 ↓
何を目指してケアをするかということを捉えて行かないといけないのではないか。「飲むのは良くない」という判断を下して、それに向かうのであればドクターへの薬剤師からのアプローチも考えられる。そうだとしたらここでプランを立てて、今回のケアを終了しても良いのではないか。
 ↓
どういう状況なのか、もう少し情報を集めてから、エンドポイントを吟味した方が良いのではないか。
 ↓
例えば「アルコール(+)」について聞いてみるかどうか。
ゴロゴロを減らすために、何かできないか?という観点で、もう少し探るか。
 ↓
[ガスコン、コンビチームを減らすことについて、「減らしても患者さんには 自覚症状の変化はないのではないか」「でも、いらない薬なら減らす方向へ 持って行くというのも、薬剤師としてはやるべき仕事なのではないか」など、 一旦議論の中心が移る。]
 ↓
減らすことを医師に提案するにしてもしないにしても、とりあえず、患者さん の服用状況についての情報を集めることは必要なのではないかということで一 致。

→後編(C-2)に続く

(※このページは各グループの記録係による記述を基に作成しています)

<グループワーク>
  1. 模擬症例
  2. グループワークの進め方
  3. ワークの記録
    (1)Aグループ A-1(前編)A-2(後編)
    (2)Bグループ B-1(前編)B-2(後編)
    (3)Cグループ C-1(前編)→C-2(後編)
  4. 各グループSOAP発表
  
(2003.2.1.掲載)

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