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■活動報告:目次
- プログラム
- 会頭講演
- グループワーク
- アンケート
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2003.1.26「頭の中をPOSに!」(第2回)
「『頭の中をPOSに!』ってどういうこと?」
演者:服薬ケア研究会 会頭 岡村 祐聡氏
b.当日レジュメ
1.POSとは?
- 基本概念
- (1)行動哲学としてのPOS
Problem Oriented Systemとは、患者の持っている医療上の問題に焦点を合わせ、その問題を持つ患者の最高の扱い方(best patient care) を目指して努力する一連の作業システムである。(L.L.Weed)
- 問題の把握とクラスタリング
- (1)問題点ごとに情報を分類する→SOAP分析
問題の細分化により解決の糸口を見出す
問題点を明確にして隠れた問題を引き出す
- (2)追加の情報を求める
推測が正しいかどうかの確認
2.SOAP
- (1)S
患者さんが言ったこと
- (2)O
薬剤師の目から見た客観的事実
患者さんの様子や薬識
- (3)A
考えたこと
実行したケアを選んだ理由
- (4)P
薬剤師が実際に行ったケア
薬剤師が行ったこと、指導した内容
3.頭の中をPOSに!
- 患者さんと話している最中にPOSに基づいた着目・分析を
薬歴を書くときになってSOAPと言っても遅い
患者さんとのやり取りがPOSに則ったものでなければならない
4.実際の服薬ケアにおけるPOSの手順→服薬ケアステップ
- 質問のジャブ
手持ちの情報を基に今日ケアすべき問題点を探す
試行錯誤
- 気づき→掘り下げ
「ここかな?」と思えるところに気づいたら、その点を掘り下げて聞いてみる
そのやり取りの最中に感情の動きを見逃さない
いくつかある場合、確定できない場合はこのステップを繰り返す
- 推定
「これが今日のProblemである」とある程度あたりをつける
- 情報の追加と確認
本当にそこが問題点であるかどうか確認→確認技法
推測した問題点が正しいことを補足する情報を追加で取得する
→追加の質問→実際のS又はO
非言語の部分を見逃さない
- Problemの確定
「やはりこの患者さんはこう考えている。このProblemで間違いない。」
と確信を持てた時点で考えていたことがアセスメントになる→A
- ケアの実施
必要なケアを実際に行う→P
5.「頭の中をPOSに!」すると何が変わる?
目の前に患者さんが居ないとダメ!
- 質問が変わる
情報の追加によりSOAPが完成するので、質問する内容がProblemにそったものになる→患者さんの抵抗感も減じる効果あり
- 質問が変わる
アセスメントが的確なものになるので、薬局内の各薬剤師がそれぞれのアセスメントにいつも触れることにより、医療概念の共有化が期待できる
6.「頭の中をPOSに!」するために
- 思考能力の開発
常に「頭を使う」訓練を
常に考えたことを言葉にする習慣を
- 気づく力の開発
注意力を研ぎ澄まし、小さな事も見逃さない
- 感情への着目
患者さんの心の動きを見逃さない
- 問題の本質を掴む
事の本質を見誤らない
- 情報の有効活用
薬歴は宝物
- 信頼関係の熟成
患者さんとの信頼関係が命
7.日常業務の中で
- 作業効率のアップがすべての基本
精神的余裕は作業の余裕から
仕事能力をとことん高めよ
- 薬局内でのコンセンサスをしっかりと
情報の共有化には最大の努力を
常に薬局内で念いを言葉にして共有せよ
オーディットの実施
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<会頭講演>
(2003.2.1.掲載)
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