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【第2回勉強会/グループワーク(8)】
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活動報告:目次
  1. プログラム
  2. 会頭講演
  3. グループワーク
  4. アンケート
2003.1.26「頭の中をPOSに!」(第2回)

Cグループのディスカッション(後編)

→前編(C-1)はこちら
→模擬症例はこちら(別ウィンドウ)

薬剤師: 飲んでもあまり変わらないと言うことですけれど、1日に3回、この薬を飲まれていても変わらなかったんですか?
患 者: 3回は・・飲んでいないことが多くて・・
薬剤師: ああ、そうでしたか。
患 者: 食事が1日2回なものですから、お昼は飲めないことが 多いんですが。
薬剤師: とくに錠剤が大きいから飲みづらいということとか、そういうことはないですか?
患 者: そういうことはないですね。
薬剤師: そうでしたか。

1日3回は飲んでいないことが分かった。そして、錠剤が飲みづらいことが、コンプライアンスの悪い要因ではないことが分かった(これは付随して質問が続いたが1ステップとしてカウントした)。
 ↓
薬学的に考えると、コンビチームに関しては、消化酵素なので、食事にあわせて飲むという方法であまり問題はないと考えられるが、ガスコンは1日2錠で効いているとは考えにくい。もう少し量を上げれば、もしガスの「ゴロゴロ」であれば、改善できるのではないか。
 ↓
では、ガスコンを1日3回飲んでみて頂こうという観点でケアをするにあたって、何が問題か。
「ご飯を食べた後でないと飲めない」という思い込みが、患者側にあるのではないか。あるとしたら取り除く必要がある。

薬剤師: 食後のお薬ですが、ご飯を食べた後でないと、薬を飲んではいけないっていう風に、宇都宮さんは思っていらっしゃるんですか?
患 者: やっぱり「食後」ってなってるんで、食事の後かなぁ、と 思っているんですが

<ステップ5>

ガスコンは現在の服薬状況から増量の余地あり。それによって、症状の改善の余地ありなので、今回のケアのプランとしては、飲んでいただけるように情報提供をして、次にフィードバックしていただける様にしようということに。

薬剤師: お薬は、ガスコンとコンビチームというのがありますが、1日3回飲んでみて、もしかしたら効果が出るかもしれないので、ガスコンにつきましては、ご飯を食べないときであっても、服用して構わないと思うんですね。ですから、そんな風に飲んでみて、次回また来局して頂けますか
患 者: 1日3回飲んだら、本当によくなるんですかねぇ?

患者さんは半信半疑の様子。

薬に対する不安を和らげる必要があるのではないか。
常用量よりは少ないということをお話すると安心できるのではないか。それでお腹のゴロゴロが少しとれる可能性があるので、1日3回飲んでみて、効果がないかどうかを確かめてみたらいかがですか、と言う風に提案したらどうか。

薬剤師: 3回飲んだら、本当によくなるかということですね。そうですね、このガスコンっていうお薬は、おなかのガスを取るお薬なんですけれどもね。
ふつう、1日3錠から6錠飲んで、効き目が出るお薬なので、そんなに強いお薬じゃないんですよ。とりあえず、先生が1日に出された、3錠を1日3回、食事が取れなくても、お昼にも飲んでみて、お腹の症状が取れるかどうか、ちょっと試されてみたらどうですか。
それでもよくなられなかったら、今度受診のときに、先生におっしゃって、相談してみたらいかがですか。
患 者: この薬は、薬害とか、副作用とか、そういったことは ありませんかね。
薬剤師: 副作用への心配をしていらしたんですね。
患 者: それに、よくならないって、薬のことを先生に相談したら、お薬変えてもらうとか、何かそういう、別に効く薬っていうのは、あるんですか。

別に効く薬といわれても、薬剤師が「こんな薬がありますよ」と挙げるのではなく、先生との適切な相談が必要なのではないか。

薬剤師: 副作用に関しては、量的にも、普通の方が飲まれているよりも少ないですし、とくに心配されることはないと思います。それで、続けていただいて、症状が変わらないようであれば、先生もきちんと症状をみて、お薬を判断されていますので、きちんと先生と相談していただいて、・・
先生には聞いてみたり、されましたか?
患 者: 1日2回で飲んでいることも、先生には内緒にしていて、とても先生の処方に文句をつけることは・・・
薬剤師: ええ、先生もやっぱり、宇都宮さんに良くなって欲しいと思って、お薬出されているんで、これは文句をつけるっていう風には考えなくて、やっぱりご自分の不安は先生にお伝えいただければ、先生も悪く思わないで考えてくださると思いますので、もし3錠で飲んでもらって、それでも症状が変わってこないようであれば、先生にもう一度相談していただければ良いかなと思います。
患 者: じゃあ、先生に言ってみることにします。
#1.漢方の服用方法に対するケア
S/O: 入れ歯に挟まって飲みにくい。
A: 服用法の説明不足
P: お湯に溶かして服用してみるよう、説明。
→次回服用状況チェック
#2.ゴロゴロ感改善のために
S: ゴロゴロ感が取れない。薬を飲んでも変わらない。
O: 食事が1日2回のため、1日2回の服用
A: 食後でないと服用してはいけないと思っているのでは?1日2回では効果が出ていないのでは?
P: ガスコンは食事に関係なく1日3回服用してみるよう、 説明
#3.副作用に対する不安感
S: 1日3回、飲み続けて副作用はないの?
A/P: ガスコンに対しては、1日用量と薬の作用を説明して 不安を取り除く
#4.医師とのコミュニケーション
S: 1日2回しか服用していないとは医師に言っていない。効き目がないと医師に文句を言うことはできない。
O: 治療の効果に対して医師に何か言うことは、「文句」と 感じていて言えない。
医師に対して遠慮している。
A: 「文句」ではないとお話する必要がある。
治療上必要なコミュニケーションだと理解してもらう必要がある。
P: 医師もよくなって欲しいと思って処方しているので、効き目に対してお話ししても、悪くは思わないと思います。「文句」と捉えずに、次回受診のときお話ししてみて下さい。

(※このページは各グループの記録係による記述を基に作成しています)

<グループワーク>
  1. 模擬症例
  2. グループワークの進め方
  3. ワークの記録
    (1)Aグループ A-1(前編)A-2(後編)
    (2)Bグループ B-1(前編)B-2(後編)
    (3)Cグループ C-1(前編)C-2(後編)
  4. →各グループSOAP発表
  
(2003.2.1.掲載)

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